2025年08月17日

戦後80年に戦争の記憶をつなぐ〜ミンダナオ島での戦争体験〜

終戦から80年が経ち、もはや太平洋戦争を肌感覚で知る人は僅かとなった。今年の戦没者追悼式でも天皇陛下はお言葉で「戦中・戦後の苦難を今後とも語り継ぎ」との新たな一節を加え「将来にわたって平和と人々の幸せを希求し続けていくことを願う」と続けられている。また、八月になり毎日のように先の大戦を経験した人の記事が新聞に載るが、その中に「歴史を伝えていかなければ」との語り手の言葉があり、改めて、戦争は今や語り継ぐべき歴史、私たちが忘れてはならない歴史になったのだと思う。

私の聞き書きは、高知県東部にある北川村の遺族会館で年若き多くの英霊のお写真を目にし、この人たちの声を聴きたいとの思いから始まった。北川村での聞き書きは遺族のご家族からのものがほとんどとなったが、お一人だけ、ご自身の戦争体験を語ってくださった方がいた。

それが、坂本武一さんであった。20歳で入営し平壌での訓練を経てフィリピンへ。ミンダナオ島での討伐の日々や、終戦後のレイテ島での捕虜生活などを詳しくお話しくださり、戦死された友人や知人などに関する話も聴かせていただいた。辛い思い出も多く、長い話になった。坂本さんは当時92歳とご高齢であったが、しっかり詳細まで記憶されており、語り口調も実に確かであったのを覚えている。

私が聞き書きでお会いした皆さんのお話には、戦争のことが必ず含まれている。この貴重な記憶を広く長く継承し、平和への礎としていくことが、求められていると感じる一方で、そのための一歩を自分が踏み出せてないことに忸怩たる思いもある。坂本さんの聞き書き作品「遠い昭和の日々を辿る」を読み返し、聞き書きの今後を再考したいと思う。また、一緒に一人でも多くの方にこの作品を読んでいただき、平和への祈りをつなぎたいと心から願っている。

遠い昭和の日々を辿る〜語り手 坂本武一さん(北川村)〜

   坂本.jpg


posted by ききがきすと at 17:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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