2024年05月20日
「語ってくれて、ありがとう」「聴いてくれて、ありがとう」 〜聞き書きは、ありがとうの交換〜
この春に語り手と出会い、久しぶりの聞き書きに取り組んでいます。同じ高知の女性であり、4〜5歳時の戦争の思い出から始まり、台風災害に翻弄された若い時期、姑の終いまでの長い年月、その後の夫の看取りへと続くお話でした。
でも、人生の苦労話ではないんです。人とのつながりが縦糸、農家の仕事が横糸のしっかりした布の上に鮮やかに織り込まれた二つとない人の生き様です。今、私は、冊子づくりへの作業途上ですが、この聞き書きとの出会いが何とも嬉しくて、感謝しかない思いです。
高知新聞の閑人調というコラムに、「やなせさん」という標題で、「アンパンマン」の作者であるやなせたかしさんのエピソードが紹介されていました。やなせさんは「人間が一番うれしいことは何だろう?」と長い間考え続けて、「人は人を喜ばせることが一番うれしい」との答えを見つけたと書かれていました。
私たち『ききがきすと』も、聞き書きで人を喜ばせたい。聴き手の私たちには「語ってくれて、ありがとう」、語り手には「聴いてくれて、ありがとう」と、お互いに『嬉しい、ありがたい』という気持ちの交換となるものでありたいと思っています。今回の聞き書きでも、私は、至福の時をいただいています。次は私が、冊子づくりで語り手に喜んでもらう番です。
このブログへも早ければ来月末頃、新たな聞き書き作品として掲載する予定です。
「読んでくれて、ありがとう」「伝えてくれて、ありがとう」の交換が、ここでもできるようになるのが、次の目標です。
posted by ききがきすと at 16:50
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