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「2025年04月」の記事一覧
2025年04月17日
やなせ先生の『よろこばせごっこ』と『ききがき』
朝のNHK連ドラ「あんぱん」が、この春から始まった。高知県出身の漫画家やなせたかし先生ご夫妻の物語で、高知に住む私は朝の2度観が習慣になっている。実は、私には、やなせ先生についてとっておきの思い出がある。
県の歯科保健の担当だった頃だから、とーんと昔の話だ。子どもたちの歯科予防について歯科衛生士さんらと話し合った。「子どもたちを惹きつけるキャラクターが欲しいね」と声があがると、「高知県にはアンパンマンのやなせ先生がおる!!」と盛り上がった。唐突な話は尻つぼみとなったものの、諦めきれない。
香北町のアンパンマンミュージアムの館長さんにお願いして、東京のやなせスタジオの連絡先を教えてもらい、FAXした。「具体の計画も予算もない。でも、子どもたちに歯の大切さを伝えたい。歯のキャラクターをお願いできませんか」と。翌朝、出勤すると、FAXが届いていた。かわいいキャラクターが3人笑っていて、気に入ったのを使って良いと先生のメッセージが添えられている。どの子もかわいい。歯の3兄弟にすると、すぐ返信した。それは、私の職業人生の中で一番嬉しかった瞬間だ。
アンパンマンを大好きだった私は、やなせ先生の大ファンになった。先生には「人生はよろこばせごっこ」という言葉がある。一番うれしいことはなんだろうと考え続け、「人をよろこばせること」だと思うようになったとおっしゃっている。だから、先生は人を喜ばせ続け、高知の子どもたちを、私をも・・あんなに喜ばせてくださったのだと思っている。『よろこばせごっこ』というからは、それは『お互いによろこばせる』ことだ。人を喜ばせる、その人から伝わってくる喜びをしっかり受け取り、それがまた嬉しいのだと思う。先生の心にはアンパンマンが飛ぶ大きな青空がある。先生は、その空に『よろこばせごっこ』の輪、人と人をつなぐ大きな輪をつくった。
私の『よろこばせごっこ』・・・、それは『ききがき』だ。語り手との間には、聞いてもらう喜びが、聞かせてもらう喜びがある。双方の嬉しい気持ちが「ありがとう」の交換になる。やなせ先生の大きな『よろこばせごっこ』の輪に、私も『ききがき』で多くの人とつながりたいと夢を膨らませている。
アンパンマンミュージアムにて(R.6年6月)
posted by ききがきすと at 09:27
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